平成最後の砦 King Gnu
King Gnu。キングヌー。
音楽好きのあなたなら、もう既にこの名前を耳にした事があるだろう。
たまに「King gun」と間違われがちだが、彼らはキングヌーなのである。
「最近流行り出したバンドは聴かん。BUMP OF CHICKENこそが至高そして伝説」
そう思っていた私でさえも、彼らに新しい音楽史の幕開けを感じずにはいられなかった。
無茶苦茶な音楽がそこにはあった。
何でもアリかよ、とも思った。でも、現代の音楽好き達はそれをすっかり受け入れていた。
もしかしたら、誰もがこのノリとサウンドをずっと待ち望んでいたのかもしれない。
King Gnuが、没個性な現在のバンドシーンに突然白羽の矢を立てたのだ。
4月15日、私はなんばハッチにいた。彼らのニューアルバム(2019.1.16リリース)「Sympa」ツアーの追加公演を目に納めるためにだ。
正直に言うと、ただの興味本位でライブに来てしまった。
2017年に結成。怒涛の早さでメジャーデビューしたかと思えばMステにも出るわ、2枚目のアルバムにしてツアーが追加公演決定(しかもソールドアウト)、話題沸騰。サブスクも解禁していると言うのに、アルバムはフラゲ日直ぐにCDショップから姿を消していた。
気になっていた。
丁度いいタイミングで機会は訪れる。
「友人の代打」と言う名目で運良く私は今最も旬なアーティストのライブへの招待状を手にしたのであった。
彼らのアルバム「Sympa」は、全曲と言っていい程、腹立つほどクオリティが高い。
多分、音楽に精通している人であればある程、このアルバムは音の情報量が多すぎて胸焼けするんだろうな、とは思う。
しかし、荒々しく男らしい声と少年のような優しい歌声のツインボーカル、ミクスチャーロックで彩られた一曲一曲の表情が色濃く、個性的でうるさくて、誰もが大声で叫んで歌える、そんな一枚だと思う。
そもそもメンバー全員のスキルとポテンシャルが高すぎる。
作詞作曲を担当するギターボーカルの常田と、ボーカルキーボードの井口は幼馴染で東京藝術大学に行っていた。常田はバンドの他にクリエイター集団をしており、MV製作やバンドロゴなどのアート面も手掛けている。井口は大学時代に声楽を専攻しており、役者経験もあるそうだ。通りでシャレならんくらい歌が上手い。納得だ。
ドラムの勢喜は両親がミュージシャンで、尚且つ自身のルーツがブラックミュージックであると言う。ライブでも彼の手数やアレンジは最高で、バンドをしっかりと支えていたのは間違いなく彼であったと印象深い。
ベースは大学時代にアジカンのコピバンをしてたらしい。僕と同じだね。
アニメ「BANANA FISH」のエンディング”prayer X”を務め話題を呼び(私もこれで知った)、東京藝術大学出身、「トーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイル」を鳴らす、とかいうsuchmos以来のキラキラした肩書き。実際には芸大はすぐ辞めてしまったとかなんかのコラムで見た気がするが、それでさえも「なんだかオシャレじゃん」と思わされてしまう。
あとBANANA FISHは神アニメだから皆観ような!
そんなバンドがライブをする。
会場は既に若者で満員。急いでハイネケンを空っぽの胃へ流し込む。
ライブが始まって驚いたのは、黒髪ボブヘアがいない事。(個人の感想です)
若い男女が酒(ドリンク)を片手に好き勝手大声でシンガロングしている事。
ノリ方が分かんない、という人がいない事。
私は客層とか他人のライブのノリ方とかをとやかく言わない性分で(自分が自由に音楽を聴きたいだけなのだが)、そういうのはナンセンスだとは分かってはいたけど、このライブ会場では思わずそういう所に目を付けずには居られなかった。
ライブ中、どっからその音鳴っとんねん、え、おめえさっきまでギター弾いてたのに何で鍵盤弾いてんの、しかも上手いな、え、ベースお前もか、ドラムお前だけしか最初から最後まで同じ楽器弾いてないぞ、みたいな、マジでいい意味で何でもアリな無茶苦茶なバンドの音楽をまるっと受け止めて、
まるで、これが普通ですよ、今の時代はこの音楽ですよ、みたいな当然のような顔して、ティーン達は大声で歌っているのである。
なんばハッチが満員になる程の人数がこんなにも自由に歌って踊れる音楽ってあるんだな、と感動した。
これまでのバンドシーンは個人的な感想ではあるが、少し没個性を感じていた。
だからと言って勿論否定をする訳でもないし、お前ごときがバンドシーンの何を知っているんだしねカスころすぞなどと思うのも仕方ない。それに何より、私は忘れらんねえよのライブで鼻水を垂らし泣きながら拳を挙げる程にバントが大好きだ。
しかし、それを打破するように、平成の終わりに音楽界へ閃光を放ったKing Gnu。
これから彼らが奏でる「トーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイル」が気になって仕方ない。
Licca
2018年誰得総括、まさかの映画レビュー。
ご無沙汰です。
早いもんでもう年末だよ。
今年の冬は例年より寒くないから嬉しいね、夏が暑すぎた影響だろうか。
さてタイトルにもありますが今年は音楽はもちろん、夏頃から映画にもチャレンジしまして、去年までは年に1本観るか観ないかレベルの俺が現時点で30本以上も...!今回はその中でも特にお勧めしたい作品を何本か挙げときますね。映画レビューするようなブログじゃないけど、ちゃんと管理人さんから許可も得ましたので許してくれ。
過去に戻れる薬を手に入れた男が、30年前に亡くなった当時の恋人に再会すべく過去にタイムスリップして現在の状況を塗り替えようと奮闘する物語。あ、韓国映画です。
えー、小学生ぶりに映画を観て泣きました。最後に泣いたのワンピースのチョッパーのやつじゃないか...?w 観てる最中はなんともなかったのに、観終わった後色々考え出しちゃって気付いたらボロボロ泣いてた。こんな奇跡が起きたらいいなあ、とりあえず俺にもその薬くださいよ。
イジメを受け、さらには家族まで殺されてしまった少女が復讐を始めるっていう漫画が実写映画されたモノ。
まず、主演の山田杏奈ちゃんがめっちゃかわいい。初出演作品なのに存在感がありすぎるし、血に染まりながら雪の中に映る姿はそらもう美しかった。
内容は一見ありきたりなんじゃねえかって思ったけど、イジメのきっかけになった過去のエピソードとか、イジメっ子のサイドストーリーだとか、唯一の味方だった高身長イケメン君は実は超絶サイコ野郎だったりで色々胸糞悪かったけど面白かった。もちろんR15+なのでそこそこグロ描写有ります。
いやー、邦画っていつもの癖で食わず嫌いしてたけど... いいですねえ。てか杏奈ちゃんかわいすぎて2日連続で観たった。同じ映画複数回観るとか滅多にしないから自分でもびっくりしてる。
電車内で謎のウイルスが蔓延し決死のサバイバルを繰り広げる韓国ゾンビ映画。
この手のホラー映画もよくあるし内容も薄っぺらいのが多いイメージあるけど、登場人物1人ひとりのキャラがしっかり立っててついつい感情移入しちゃうくらいには面白い。電車の疾走感も相まって物語のテンポも良かったし、ダイナミックな演出も◎ ホラー要素自体は比較的そこまで強くないから怖いの苦手な人も観れるはず。同じ電車に乗ってた野球少年チームの1人が誰かさんにそっくりで笑ってしまった。
◯アジョシ
ひと言で言い表すなら韓国版レオン。
主演はウォンビン。初めてちゃんと見たけど男前すぎんだろ... ジャンレノが渋イケメンならこちらは正統派イケメン。髪短いとキムタクに見えてしゃーないけど。
レオンよりもちょっとだけ暴力描写が残酷です、ちょっとだけね。まあとにかく単なるパクリだと思わないでこっちも観てほしい。ウォンビンになら抱かれてもいいって気持ちになるから。
幼少期の事故の後遺症で耳鳴りが止まらなくなった主人公が、音楽を聴くことで脅威のドラテクを発揮し犯罪組織の"逃がし屋"として活躍する物語。
ヒロイン役のリリー・ジェームズはこれまたべっぴんさんなんです、ウェイトレス姿は最高。
少し残念なのが、迫力あるカーチェイスが見られるのは冒頭のシーンくらいで後半はドンパチ主体になっちゃったところ。誰が観ても楽しめる作品ではある。特に洋楽好きにはお勧めの1本。
以下はその他今年観た映画です。お勧めは☆付けときます。有名どころばっかり観てるからあまり参考にならんかも。
◯ショーシャンクの空に
◯キングスマン
◯エスター
◯キャビン
◯ドント・ブリーズ
☆最強のふたり
◯ボーダーライン
◯インシディアス
◯スプライス
◯ゲット・アウト
◯インファナル・アフェア
◯エクスペンダブルズシリーズ(アクション好きなら☆)
◯IT
☆トガニ 幼き瞳の告発
◯ストレンジャーシングスシーズン1(Netflixオリジナルドラマ、シーズン2途中放置中...)
◯オールドボーイ
◯エイリアン1,2
◯トレマーズ
☆八月のクリスマス
◯ジェラルドのゲーム(Netflixオリジナル?)
◯リトルデビル(Netflixオリジナル)
◯ルシッドドリーム(Netflixオリジナル)
◯トンネル 闇に鎖された男
☆哭声/コクソン
◯スペクトル(Netflixオリジナル)
◯カメラを止めるな!
☆スリー・ビルボード
後半は韓流多めだったかなー。韓国映画は人間を描くのが本当に上手いです。そのせいか胸糞系も多い... すっかりハマってしまったw
Netflixに加入してるくせに、結局ホンマに観たい映画はレンタルして来ちゃうから、今は韓国のバラエティ番組観るくらいであんまり元が取れてない状況。いつでも観れるってなるとじゃいつでもいいやってなるね。ひたすらマイリストが溜まっていく、、
まだまだ映画に関してはアマチュアなので是非是非皆さんのお勧めも教えくださいまし。アクション、ホラー、胸糞系大歓迎。怖すぎるのはダメです、ビビリなので。
最後に、少し気になってるまたは今後観る予定のモノを。ネトフリ作品は例により多すぎるので省略。別に観たい順とかではないです。
◯リズと青い鳥
◯ウインド・リバー
◯ボヘミアン・ラプソディ
◯シェイプ・オブ・ウォーター
◯聖なる鹿殺し
◯15時17分、パリ行き
◯ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ
◯恋は雨上がりのように
◯ファンタスティック・ビーストシリーズ
◯新しき世界
◯ジョン・ウィック
◯アメリカン・スナイパー
◯インターステラー
◯ダイ・ハードシリーズ
◯ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
ご静覧ありがとうございました。相変わらず拙い文章ですんませんです。
また気が向いたら音楽のほうも書きます。というか皆の総括記事が読みたいので関係者各位、よろしくです
来世はHindsのメンバーになる
ご無沙汰しています。
二ヶ月ぶりの鬼投稿でございます。
もはや誰も覚えていないであろうこのブログを読んでくれてるそこの物好きなあんた、サンキュー。あんたもカリフォルニア•ガールズの一員だったんだ。
今更な話、サマソニ、まじで行きたかったです。
毎年こんな事言ってんなー。
そんなことはクソほどどうでもよくて、
今回レコメンしたいのはこのバンド!
hinds(ハインズ)というスペイン産のガールズバンドです。
今年のフジロック出てたと思う。
ガールズバンドって聞いたら、反射的に思い出すのってチャットモンチーとかSHISHAMOとかSilent Silenとかの「女の子+ギター=かわいい」的なイメージがあると思うんです、多分。もうなんか日本人の脊髄にそう刻み込まれてると思うんです。うちらにとってチャットモンチーの存在は大きかったはず。えっちゃんはうちらの心であり青春。異論があればコメントください。
実際彼女たちの演奏も歌詞も鬼ほど最高で、もはやかわいいの枠なんか等に超えててそこにはガールズとかいう余計な括りはあらへんのやけどね。
「薄い紙で指を切って♪ 」とか歌われたらえっ普通に痛くない?てなるしね。
「月を見て綺麗だねと言ったけど あなたしか見えてなかったの♪ 」とか夏目漱石も焦り散らかすからね。
ここでいうガールズバンドってそういうのじゃないんです。
このスペイン産のHindsというガールズバンド、さっき言った日本でいう「女の子+楽器=かわいい」に当てはめてみるとしたら、「ギャル+楽器+酒+英語=無敵」になると思うんです。
ちょっとまず聴いて。
どう?めっちゃなんか良くない?
めっちゃ演奏が上手い!って訳でもないけど、なんかイイ!
ギャルが酒飲んで踊って歌ってる 強すぎる
まず軽くバンドの紹介を。
2011年、スペイン、マドリード。お互いのボーイフレンドが友人だった事から出会い、仲良くなった2人のメンバー。やがて失恋してしまい2人はギター片手に傷心旅行することに。海岸沿いでボブディランやベルベッドアンダーグラウンドを歌ったのが全ての始まり。
は?エモすぎんか?
「ウチらで時代作れんじゃね?」という事で、やがて2人でレコーディング作業に入る。
Bandcamp(SoundCloudみたいなやつ)に2人の音源をアップすると、すぐさまイギリスの音楽雑誌や大手新聞社が目をつけはじめ、絶賛の声があがるようになり、ではバンドするか、となる。ギャルすぎる。
そしてメンバーを揃える。
①女子であること
②気の合う友達であること
を最も大切な条件としてメンバー探し。
現ベーシストには2人でベースをプレゼントして無理矢理弾かせる雰囲気を醸し出したりして晴れて4人体制のハインズデビューというかんじ。
そういうルーツも曲もキュートで好きなんだけど、あたしが個人的に好きなポイントは、彼女達のインスタグラム
海外のバンドって大体インスタ充実してて最高だよなー!
鬼ギャル、大体ライブの写真か酒飲んでる写真ばっかりアップされてて吹く(dreamwifeもよくイイねしててかわいい!)
悩み事とか吹っ飛んでいきそうに底抜けに明るいHindsはインスタグラムもサイコーだからちょっと見てみて。コメントしたらたまにイイねしてくれるし好き。
初っ端から叫び出して草
ライブ動画おにエモいしかわいい、思ってたよりだいぶ
ではでは、またてきとーなタイミングで !
Licca
バンプ地獄ディスクレビュー②〜FLAME VEIN後編〜
「愛が重すぎる」「長くて読みづらい」
「バンプはもう十分知ってる」「顔が濃い」「死ねとまでは言わないが静かにしてほしい」と大好評のBUMP OF CHICKEN地獄ディスクレビュー!!
今回はFLAME VEIN後編だっっ!アゲてけアゲてけ〜〜!
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【アルエ】
アルバム3曲め。
オクターブ奏法がふんだんに使われ、バンプ初期の中でもテンポの速いシンプルなギターロックナンバー。…なはずなんだが、"アルエ"?聞き覚えのない言葉である。というか何語だ。
説明しよう。"アルエ"とは昭和後期・平成生まれの男子(まれに女子も)を中二病のストラグルに叩き落とした恐ろしいテレビアニメ"新世紀エヴァンゲリオン"のヒロインの1人、"綾波レイ【 Rei Ayanami】のイニシャルである、R・Aを繋げて読んだものである。アールエー。アールエ。アルエ。
UZEEEEEEEEEEEEEEEE!!!
KIMEEEEEEEEEEEEEEE!!!
普通にヤバくないすか。何が"怖がらないで素顔を見せてごらんヨ☆"だよ。てめえが1番こええよ。
綾波レイが好きすぎるのは別に構わん。ガチ恋する気持ちもわかる。(俺はアスカ派だからホントはわからん)
曲にしちゃダメだろ。若気も至りすぎると狂気だな。
大事な曲の部分のレビューだが、この曲に関しては正直なところ特筆する部分が無い。"綾波に曲を書きたい!"という気持ちが先走り過ぎた感じ。若さ故の結果ではないだろうか。よし、次。(綾波レイのことを綾波呼びするヤツのなんとも香ばしい感じについての記事は乞うご期待)
【リトルブレイバー】
Dadd9(正しくはC#add9)から始まるベース音の移動を巧みに使ったアルペジオが印象的なミドルナンバー。BPM125前後の、あまり展開に起伏のない構成で曲が進んで行く。
普通ならば少々退屈な構成の曲であるが、ギターソロや随所に散りばめられたリードギターのフレーズがメリハリとなって曲に彩りを持たせている。ギタリスト・藤原基央の面目躍如といったところである。
歌詞の内容は、気づいていないだけで身近な大切な人は勇気をくれる。それに気づけたらもう怖いものはないだろう?というストレートな表現に終始した、初期バンプのみならずバンプの詞の世界観全体から見ても珍しいタッチのものである。これも公式PVが存在するがYouTube上には無かった。藤原基央の足ピョンピョンが可愛いのでDVDポキールを買え。絶対に。
窮地に立たされた自分をどうにか鼓舞して戦う様を、成績が芳しくない野球チームのスラッガーに例えて描いた曲。
"物語の始まりはそう 成す術の無い僕らが主役
白いライト当てられて 期待を背負って
頼むぜ我らがスラッガー
今日はどうした 未だノーヒットノーラン"
という歌詞を読んでもらえれば、野球の知識がある方は違和感を覚えると思う。そう、藤原基央はノーヒットノーランの意味を理解しておらず、⦅凡退が続き出塁・ヒットがない状態⦆と勘違いしているのである。⦅本来は、ピッチャーが相手チームに対してヒットを与えないことを指す。⦆
とんだヘマである。可愛いぞ、藤原基央。
少し琉球ぽさのあるギターリフ(スケール的にも三味線等で使われる音階と相似している)を中心に構成されたこの曲は全体的に難しいプレーはないのでバンプコピバンを志す初心者諸氏にはオススメである。
【とっておきの唄】
あまりに純粋で真っ直ぐで、その揺るぎなさ故に少し目を背けたくなるほどに眩い光を放つラブソング。
"ゆっくりでいいから君が本当に笑って泣けるような2人になろう"
ねぇ基央。どうせ他の女にも言ってんでしょ。ねぇ。こっち向いて。アタシだけを見て。ファサ
という、数年後に見返したら身体中の穴という穴から冷や汗を噴き出して死んでしまうようなアイタタタな妄想の坩堝に女子達を叩き落とす恐ろしい曲である。
これ以上のオイタは筆者の命さえも危険にさらしかねないので控える。
メインリフ、ギターソロ共にマイナーペンタを基調としてメロディアスなフレーズに推移していくパターンのもの。
藤原基央はペンタを崩すフレージングが巧い。前述したリトルブレイバーやガラスのブルースなんかもそうである。
ブルージーな1・3弦を使ったフレーズ(Led Zeppelinのジミー・ペイジなんかがよくやってたフレーズ)の使い所も効果的。さすがである。
【ナイフ】
FLAME VEINラストトラックのナイフ。
BUMP OF CHICKEN-ナイフ
サムネから笑っちゃうね。良いぞ良いぞチャマ
Eコード(正しくはD#)の開放感を上手く使った広がりのあるコードプレイに荘厳なオクターブフレーズが光る。
"僕は今夜旅に出るよ 僕の行きたい場所に行くよ
「小さな頃の唄」を思い出すタメに
胸をはって旅に出るよ 朝の匂いの夢を見るよ
「勇気の出る唄」を思い出すタメに NO REASON"
とあるように、「理由などない。生きているから生きている限り僕は旅を続ける。」といった、リトルブレイバーにも通ずる固い決意を歌った一曲である。
英語のラップ擬きのようなパートは初見では面喰らってしまったが意外と収まりがいい。なんというか、ダサかっこいい。ことにしたい。
この曲はギターソロがピカイチにかっこいいので是非スタジオ録音版を聴いていただきたい。余談ではあるが藤原基央はこの曲のギターソロを全てダウンピッキングで弾く。脳筋野郎かよ。そういうとこ、マジで大好きだよ。(投げキッス)
いかがだろう。もはやレコメンというかファン向けになってしまったことを反省している。次回はもう少しレコメンの体を崩さないように慎重に書こう。
何度も本編中に述べているが、BUMP OF CHICKENの曲は秀逸なギターがその曲の支柱を担うことが多い。フレージングも振り幅が大きく、どんなジャンルのギタリストの琴線にも触れるようなフレーズが存在する。
是非次からはギターに注目してバンプを楽しんでみてもらいたい。
100回聴いても101回目に新しい発見がある、そんなバンドだと僕は思う。
ナードマグネットを10代のうちに聴くべき3の理由
人は10代の頃に聴いていた音楽を一生聴き続けると言われている。
個人的にはこの件については50/50だと思う。
たしかにバンプは聴き始めて10年経った今も大好きだしこれからも大好きな自信がある。でも10代の頃聴いてた殆どのバンドの現在を知らない。そんな感じで今も大好きなバンドが半分、今は殆ど興味がないバンドが半分といったところである。
ただ、本当に10代の頃に聴いていた音楽というものは自分という人間を形成するのに多分に影響を及ぼす。
自分の場合、エルレガーデンを中学時代に聴いてたら違う人間性になってただろうなぁと常々思うし、高校時代にハイスタに出会ってなかったら今の自分はないなぁとも思う。
20代以上の皆さんも思い当たる節があるのではないだろうか?
そこで今回は、これからあなたという1人の十代の人間と一緒に人生を過ごしてほしい、とっておきのバンドを紹介したい。(長いから注意。最悪読まなくていいからリンクだけ踏んでくれ)
ナードマグネット-C.S.L.
ナードマグネット。大阪のパワーポップバンドである。
パワーポップとは基本的には歪んだギターにポップなメロディが乗った爽快感のある音楽のことである。
Motion City SoundtrackやWeezer、曲にもよるがアジカンなんかがパワーポップと言われている。
上に埋め込んだC.S.L.という曲を聴いて貰えば、一度聴けば覚えてしまうサビメロのポップさや、どこかラフさのあるベース&ギターリフのキャッチーさでパワーポップのなんとなくの感覚は掴んで貰えると思う。
では、なぜ10代のうちにナードマグネットを聴け!と言うのか。
ここからはその理由を3つに分けて説明していきたいと思う。
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①頑張れとか絶対言わない
今日TVなどで持て囃される"10代応援ソング!" "青春!" "進研ゼミ中学講座!" みたいな曲は、得てして「頑張れ」「頑張ろう」「夢を云々かんぬん」と、似たり寄ったりのテーマに落ち着いている。
だがどうだろう。何処の馬の骨か分からん魂が21gもなさそうな、地面に足ついてなさそうな浮かれ散らした若者が歌う「頑張れ」に誰が励まされるのだろう。まずお前ら地に足つけろ。ドラえもんか?
別に"頑張れ"とひたむきに歌う彼らを乏しめるつもりは毛頭無いのである。"頑張れ"と歌う唄は時に追い風となる。しかし、自分は辛い時に"頑張れ"と手放しに言われても頭を垂れることしかできない。頑張れって言ってくれるのはヒロトだけで良いんだ。
THE BLUE HEARTS - 人にやさしく
そんな中ナードマグネットの「僕たちの失敗」を聴いてほしい。
ナードマグネット-僕たちの失敗
"こんな筈じゃなかった!!こんな筈じゃなかった!!こんな筈じゃなかった!!こんな筈じゃなかったのになーーーーーーーーーーーーー!!!!!"
どうだろう。なんか笑えてこないです?
テストで赤点取った時、彼女にフラれちゃった時。イヤホンから爆音でこの曲が流れて来ると、少し気持ちが楽になる。そう、ナードマグネットは自分と一緒に地の底まで落ちてくれるのである。
ちなみに筆者はこの曲が好きすぎて何か失敗するたびにこの曲がフラッシュバックし、頭の中でミラーボールが回り出して正確な判断が出来なくなる合併症を患った。用法用量は守ろう。
②基本的に後ろ向き。それを肯定も否定もしない。
ナードマグネットの楽曲は基本的に後ろ向きである。
ナードマグネット-アフタースクール
"わだかまっていたんだよ 胸の奥の方でずっと
ねぇ君もそうなの?嘘だろ?
空回ってしまうよなぁ 大人になったはずなのに
そんな目で見るなよ"
"話せないことも 実は結構あって
当たり前だけど時は過ぎていた"
"アイドンワナノウ
今さらだよ もう何もかも
さよならを言おう
下校時刻は過ぎてしまったよ"
青春とは甘酸っぱいだけではない。ほろ苦いなんて甘いもんじゃない。
真っ黒い青春もここに毅然として存在する。
今まさに高校生、という方にはあまり実感はないだろうが、10代というものはそれだけで価値を持つ。あなたが早く大人になりたいと願った1日は、大人たちの夢枕に立って涙を誘うほどの尊い1日なのである。(なんか聞いたことあるなこの感じ)
この曲とともに、後悔のない日々を過ごして欲しい。そしたら僕らとは違った聴こえ方でこの曲を愛せるだろう。余談だけど間奏のギターソロカッコ良すぎない?
③とにかく青春
ナードマグネットの歌は青い。
アーティストによって曲の色が変わる、という感覚はおそらくみんなが持っている感覚であるとは思うが、おそらくナードリスナー100人に聞けば95人はナードマグネットは青と答えるのではないだろうか。
日に日に色が薄れて、単なる過去になり行く"青春"を歌うことによって永遠に生かし続ける。そんな執念をこの曲から感じる。
ナードマグネット- Mixtape
もしあなたが無類の映画好きならば、この曲を聴いてある映画を思い出すのではないだろうか。
The Perks of Being a Wallflower(邦題:ウォールフラワー)
2010年代を代表する青春映画である。お前らマジで観ろ。次の日友達をめちゃくちゃハグしたくなるから。マジで観ろよ。
歌詞にはこの映画の要素からの多分な影響を感じる。ちなみにボーカル須田氏は超映画好きとしても有名。
余談だがこの映画のエズラ・ミラー(画像右端)は美しすぎて直視できない。
いかがだろうか。今回は勢いだー!と思ってバババッと書いたら思いの外とっ散らかって読みづらくなってしまった。ごめん。
こんな駄文でナードマグネット諸氏には甚だ申し訳ないが、彼らの音楽のおかげで僕の青春は今もイヤホンの中にあり続ける。
"We are infinite."と本気で言い合える仲間たちと、ナードマグネットの音楽と、あなた達があなた達だけの青春を謳歌することを祈る。
※追記)先週発売になった両A面シングルもかなりイけてる。絶対買え。
ONIGAWARAのライブ良いぞ
こんにちは。
ご無沙汰しています。
このブログ始めて、ものすんごい皆の反応が良くって、予想外すぎてハチャメチャに嬉しいです。書いてくれてる方も読んでくれてる方も本当にありがとう。さらにシェアしてくれる方も。ありがとうね〜!まだまだ寄稿待ってます。というかそのうち声かけにいきます。
今日は、ONIGAWARAというバンド(?)を
聴いて欲しい。
始めてあたしがONIGAWARAに出会ったのはーーーーーー、
そう、今年のCOMING KOBEだったーーーー。
SiMかなんか見終わった後、喉がカラッカラだったもんで「ビールでも飲むか!」とウロウロしてたら、メインステージの少し離れたところにある小さなステージで爆音で良い音楽が流れてきた。
その時はまだ転換だったんだけど、もうその転換SEからして好きだったのでとりあえず立ち止まって聴くことにした。
舞台袖から颯爽と出てきたのは、布袋のギターを持った兄ちゃんと、完全にワ●クワクさんの男が出てきた。
参考画像
ワクワ●さん工作やめて音楽はじめたんか.?てかゴロリは?とか思ってたけど、とりあえず見てみることにした。(最初はマジでワクワクさんかと思った。眼鏡買おうな)
ちらっとフロアを見ると何人かがペンライトを持ってて、「何だかヤバイ所に来てしまった感」さえ感じた。晴れてるから光ってるの分からんやんそれ。一体何が始まると言うんです?
ところがどっこい!
抜群に面白い見た目とMCで観客の心を掴み、更に「なんかこれめちゃ良い感じの音楽じゃね?踊れる感じの?てか俺の顔キモくね?」と言わんばかりのノリノリソング。元太出ましたね。
どんどん人が集まる集まる。いいねいいね。
まさに、ONIGAWARAがその場を制圧した瞬間である。
ちょっと気になったのでウィキってみた。
バンド「竹内電気」の元メンバー2人による、音楽ユニット。アイドルでもバンドでもなく「SUPER J-POP UNIT」。
竹内電気の時点でもうなんかよく分からんけど面白いので好きですね。
更に調べると、布袋のギターを持ってる人、竹内サティフォさんはやっぱりBOØWYのファンだそうで。そらそうやわな。
音楽にも80-90年代へのリスペクトがサウンドに載せられてる。
で、ONIGAWARAのライブも「ライブ」と言わずに「GIG」と呼ぶ徹底ぷり。良いですね。
ペンライトは物販で売ってるそうです。
私は完全に初見だったんだけども、メチャクチャ楽しめた。簡単な振り付けもあって(これもまた巧みなMCのせいで私も踊っちまったんだ)こりゃもうノリノリよ。前にいた高校生2人が楽しそうに踊ってたのをよく覚えている。
なんかいいな!こういうの。
曲も何も知らないのに、結局楽しくなっちゃって踊ったり写真撮ったり笑ったり。
すごく自由な空間でした。
シャッターチャンスという曲で、本当にライブ中にカメラで写真を撮って良い時間があって(本人達は「SNSで拡散してくれー!」と言っていた)、曲が一旦停止して皆スマホで写真を撮る撮りまくる...というシュールな光景も。
実際に撮ったやつこんな感じ。
可愛い。
これから夏フェスシーズンが到来する。
あなたの行く予定のあるフェスのタイムテーブルに小さく"ONIGAWARA”の文字があったら、ぜひ足を運んで欲しい。
そのステージの上に布袋のギターと、工作をしないタイプのワクワクさんがいたら、そこはきっと予想以上に楽しいダンスフロアになるだろう。
曲を聴くよりも、ライブで体感して欲しいな〜!!
では。
読んでくれてありがとう。
Licca
バンプ地獄ディスクレビュー①〜FLAME VEIN前編〜
2日続けて投稿してごめんね。今日も僕です。
せっかくいい場所をもらえたので、シリーズものでディスクレビューをしたいなと思いまして、連載するなら大好きが溢れ落ちるくらいの音楽じゃないと厳しいな、と思いまして。
"BUMP OF CHICKEN地獄ディスクレビュー"
を始めます。
《よくある質問》
Q.バンプ地獄ディスクレビューってなんだ?
A.バンプが宇宙一好き!と多方面で目を輝かせながら語り失笑を買っている悲しき青年が、"俺は笑わねえ!!"って言ってくれるジャンプ漫画の主人公みたいなあなた達に向けて、音楽的な側面、当時のメンバーの精神的な側面など偏った見地から本気でバンプの良さを勝手にプロモーションする企画です。ほらねまたバカにして笑ったよね。
前置きはこんなところで終わらせて、早速本編始めます。いくぜっっっっ!!
BUMP OF CHICKENのファーストミニアルバム。タイトルから地獄。《炎の静脈》って。アホか。静と動ってか。どの層に向けてんだ。ちなみに発売時の帯には《情熱は約束を守る》と書かれている。ちょっと横になるわ。†厨二†成分が強すぎる。
レコーディングは全曲合わせて丸2日で終えたらしい。通りでギターの音が聞いたことないくらい荒い。泥臭い。めちゃくちゃ良い。
のっけからフロントマン藤原基央の厨二魔法を喰らい続けて少しグロッキーだが曲毎のレビューに移る。
【ガラスのブルース】
公式なPVはあるのだが生憎YouTubeで見当たらなかったので非公式音源を。
英語の綴り間違えたりしてて恥ずかしくなったのかな基央。基央かわいいよ基央。
コード進行やリズム、曲展開は非常にオーソドックスで、いわゆるロックバンド然とした構成の曲である。ギターが3〜4本録音されており、1つの共通のコードを2本のギターに分けて弾いたり、クライマックスへ近づくにつれてリードギターのフレーズが激しくなったりと、近年のバンプの曲にも脈々と受け継がれるアレンジが既にこのころからなされている。
"ガラスの目を持つ猫はあぁ 星になったよ 大きな声も止まったよ…〜"というライブでは観客のソロパートというかなり珍しいアレンジがなされる部分のギターのフレーズ、そして"得意のブルースも聴けないね"の部分のベースのフレーズを注意深く聴いてほしい。絶妙なもっさり感のある3連符のベースが全俺の涙を誘うのだ。
メンバー全員16歳の時の作品。もしこのアレンジを16歳の時にやってたならヤバイ。早熟すぎる。俺なんか16の時プリキュア観て泣いてたぞ。
ちなみにこの曲は発表から20年以上経った今もライブでの定番曲になっている。
39歳藤原基央「ガラスの目をしたネコは唄うヨ☆」
21歳オレ「うぇぇ…グスン…はぅぅ…」
という地獄絵図が見られるのでバンプのライブはおススメ。
【くだらない唄】
アルバム2曲め。音源は無い。今すぐブラウザバック押してiTunesで買うかTSUTAYAに行け。
流麗なアルペジオから始まるミドルテンポのナンバー。全くの余談だが藤原基央がアジカンのボーカルである後藤正文と対談した際、"俺ね、Cコードが嫌いなの。(アコギでCコードを弾きながら)偽善者っぽい。"と宣っていたがこの曲はCコードがもりもり盛りだくさんである。
"くだらない"とタイトルにある通り、歌詞は取り留めもない色恋が題材である。そんな平凡なはずの恋の歌を非凡たらしめるもの、それこそが藤原基央の紡ぎ出す詞である。
まず冒頭の
"得意の絵を描いてあげる 僕の右手と水彩絵の具で"
という詞に着目したい。
"絵"を後述する『アナタ』にプレゼントしよう、という趣旨の一節であれば、水彩絵の具という描写は要らない。更に絵を描くためには手を使わなければならないのだから、僕の右手という表現は余分とも取れる。
しかし、この一見すれば余分とも取れる表現こそ、藤原基央の"映像的/立体的"な詞の世界観を作り上げている。
是非曲を再生しながらこの一節を読んでほしい。どうだろう。『アナタ』の事を思って懸命に絵を描く青年の姿が頭に浮かんで来るのではないだろうか。
次に、
"少しだけ僕は咳をして 最後の一筆に願いを込める 隣でアナタはうつむいて たんぽぽで冠を"
という一節を見ていきたい。
絵がたった今もうすぐ完成するという時に、"僕"はひとつ咳をして意識を集中する。
そんな中、『アナタ』はうつむいて、花飾りを夢中で作る。
そして曲の終盤、なんとも言えない苦い後味を残した歌詞へと終結する。
そんな緊張感を持った歌詞へ同調するように、バンドサウンドもアルペジオとボーカルだけの張りつめた雰囲気に。
何度も言うが20歳そこらでこのアレンジはマジでヤバイ。
さて、文字にして2000文字。前置きが長い上につまらないので興味の薄い人からするとここまで読むのも一苦労だろうし、ここから5曲もオタク丸出しの気色悪い語りが続くとあればいつ自分のLINEを晒されてエッチなワンクリック詐欺のメッセージを送られまくってもおかしくないのでここは前後半に分けさせていただこうと思う。
ここまで読んでくれたジャンプの主人公みたいなアナタ。
如何だっただろうか。
この拙い文でもしあなたがBUMP OF CHICKENというバンドに興味を持ってくれたなら、自己満ブロガー冥利に尽きる。ありがとう。
いつかあなたと鼻息をフガフガ言わせながら愛おしいバンプの曲について語らえる時が来るのを楽しみにしている。
(綺麗に締めたけど続きます。ごめんなさい許してください殴らないでください)
ぼい